隈研吾 特別賞
地方創生に大きく寄与している媒体を表彰
最優秀賞
季刊誌 樂(らく)[長崎県]
2008年創刊の季刊誌 樂は、本物志向のおとな世代をターゲットとしたエンターテインメント誌です。コンセプトは「長崎を知る、遊ぶ」。長崎の歴史の奥深さや自然の美しさ、そして海外との交流の中で築かれた独自の文化や営み。そんな長崎の魅力を深く知っていただきたい、多くの感動を味わっていただきたいという想いから「樂」は誕生しました。制作は長崎で活躍するクリエーターがチームを組み、後世に残すべき長崎の歴史や文化を発信する取り組みを続けています。57号の特集は「五島・福江島 響き合う大地と人」。大小約一三〇の島々からなる五島列島。中でも最大規模を誇る福江島のある下五島は、上五島とともに世界遺産の島として注目され、今年は新たにジオパークとして認定されました。今号では古くから島に伝わる念仏踊りやバラモン凧、人口わずか三十人の島・黄島での人々の暮らし、美味名品など、世界遺産に留まらない五島の魅力に迫りました。
優秀賞
[順不同]
35MAGAZINE[北海道]
ここには、好きなものがありすぎる。 この北海道で暮らせば暮らすほど、好きなものがひとつ、またひとつと増えていく。この地には、知らない喜びがまだまだきっとあるんだろう。そのすべてを味わい尽くすため、この一生をかけるのも悪くない。 今号のテーマは冬。 雪は北国に生きる私たちにとって切っても切れない存在だ。「雪なんて大嫌いだ。」から始まる紙面。北海道で生きるとは、どういうことか。絶対的な正解はないけれど、それを考えるヒントは人にあると思う。この地で光を放つ個性に耳を澄まし集めて形にしました。今年も悩みに悩んで選びぬいた35のヒト・モノ・コト。たった一人だって、いい。 強く共感してくれる人がいると信じて、今、この一冊を送り出します。
優秀賞
[順不同]
別冊モトクラシー[北海道]
別冊モトクラシーは過去3年に渡り発行を続けてきたフリーペーパーモトクラシーを再編集し、書籍化したガイドブック。ベスト盤モトクラシーと呼べる集大成的な一冊です。地元旭川市近郊で少しずつ認知度が上がってきたモトクラシーを、いよいよ大都市札幌市に届けたい。そんなシンプルな想いから書籍化プロジェクトは始まりました。札幌市でフリーペーパーを配布したいけれども、設置場所の適地がどこか分からない。それならば書籍化して、しっかり本屋さんで販売しよう!という経緯です。結果として、遠くの都会で暮らしている人には「ちょっと古い情報を書籍(有料)で」。地元で暮らしている人には「最新情報をフリーペーパー(無料)で」お届けするという、『地元インセンティブ』を表現することにも繋がりました。書籍をきっかけに私たちの地元へ足を運んでいただき、最新のフリーペーパーと共に、素敵な地元民との出会いが創出できていれば幸いです。
優秀賞
[順不同]
Fのさかな[石川県]
日本海に突き出た能登半島のくらしは、海の恵みである「さかな」と共に成り立ってきました。そんな能登からさかな文化を全国に発信するフリーペーパーです。毎回ひとつの魚を取り上げる巻頭特集では、魚介の生態・謎・食べ方に至るまで、様々な視点から魚介に迫ります。創刊から十余年経った現在、一般の読者の方だけでなく、寿司職人や水産業関係者の皆様にもご好評をいただいております。各地域の方のご協力のもと、食・暮らし・自然・文化などを織り交ぜながら、能登をまるごと楽しめる一冊を目指しています。
優秀賞
[順不同]
人生を耕すためのライフスタイルマガジン 耕Life[愛知県]
「人生を耕す」をテーマに、食、農、環境、暮らし、文化を取り上げています。広告出稿主も耕Lifeの誌面に合う形での掲載を希望されるため全体を通してのデザインもクオリティを高く保っています。広告掲載の更新率が95%以上と多くの方に支えられて発行しています。近年では行政と連動してイベント「耕LifeSDGsマルシェ」を開催したり、コロナ禍でも参加できる体験型プログラムの総合プロモーション「とよたまちさとミライ塾プラス」の企画・運営、豊田市駅前の交流拠点施設「とよしば」の施設管理しながら、オンラインでも交流できる「とよたオンライン公民館」を毎月開催しています。また、市内の高齢者の健康増進のプロジェクトとして株式会社花王とコラボした事業も開催しています。今号は10周年記念号として「いのちをいただく」をテーマに生産者様などに取材しております。また豊田市長、渋澤寿一様の対談も実現できました。様々な方法で複合的に読者の方と交流し、人生を耕し、持続可能なまちになるようにとみんなで汗をかき、邁進しています。
優秀賞
[順不同]
REedit north otsu 住むが見える旅[滋賀県]
日本でいちばん大きな湖、びわ湖。その西側、「湖西」と呼ばれるエリアのまんなかあたり、比良山地とびわ湖に囲まれた自然いっぱいの場所が舞台です。大津市の北部で、高島市のちょっぴり手前。「旧志賀町」という以前のまちの名で呼ぶ人もいます。ここは、湖西でもっとも、山とびわ湖が近づく場所。比良山から吹き下ろす風と、湖から昇るまばゆい朝日。自然の厳しさと美しさが織りなす風景が、とても愛おしい。それでいて、電車に乗れば、京都まで30?40分。「田舎」と「まち」の間といってもいいかもしれません。ここでいま、長年土地に根ざして暮らしてきた人々と、豊かな自然や風土に惹かれ、自分らしい暮らし方を求め、移り住んできた人たちによる新しい風が吹きはじめています。どれも暮らしの延長で紡がれるささやかな営みですが、地元を愛する気持る気持ちがぎゅっと詰まっています。このまちを旅する気分で、日常の風景をのぞいてみてください。
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審査コメント
今回、最優秀に選んだのは長崎県で発行されている「樂」。五島列島の大特集でした。 小さい場所、今まであまり注目されなかったような地域、僕はそういうのを小さい地域という風に呼んでいます。そういう場所に目を向けて、堀り下げて行って、こういったところの魅力を発見するっていう風なスタンスに大変好感を持ちました。そういう試みが、これからも日本のいろんな場所を発掘して世界に発信していってくれるんではないかなという風に思っております。そのような場所掘り下げるだけでなく、発信の仕方をさらに磨いて、技を磨き、世界っていうものと小さな場所を繋ぐような試みを、これからも皆さんに頑張っていただきたいなというふうに思っています。 (審査員評 隈研吾 氏)
受賞の喜びの声
隈研吾特別賞 最優秀賞に選出いただき、ありがとうございます。樂57号「五島 福江島 響き合う大地と人」は、約1年間かけて福江島を取材・撮影したものです。長崎県は離島が多く、離島にはそれぞれ独特の歴史と文化があります。五島列島は世界遺産の島として知られていますが、取材を通じて感じたのはこの島の豊かな自然と多様性、そしてここで暮らす人々のおおらかさでした。表紙を飾った念仏踊りはこの島に伝わるお盆の独特な風習です。昔からの伝統を大切に受け継ぐ人々、この島の暮らしに憧れて移住してきた人々たちが織り成す島の生活には新しい風を感じました。この受賞で隈研吾氏の講評にありました、発信の仕方をさらに磨いて世界と小さな場所を繋ぐという試みをがんばっていただきたいという言葉を胸に、これからも長崎の文化や歴史、人を後世に伝える、そして残していくという使命を持って「樂」を発行していきます。 (季刊誌「樂」発行人 糸屋悦子)